15.借金は死んだら無くなるの?

15.借金は死んだら無くなるの?

 

借金がある人は、自分が死んだ後その借金がどうなるのかご存知でしょうか?「残された妻や子供に返済がいったらどうしよう」「内緒にしていた借金が、死んだことでバレたら嫌だ」などと悩むかたも多いと思います。はたして、借金は死んだら無くなるのでしょうか?調べてみました。

 

 

借金も相続の対象になる

 

・例えば、消費者金融から数百万円の借金がある父親が、急な事故で亡くなったとしましょう。「借金をした本人が死んでしまったのだから、借金も消えるのでは?」と考える人もいるかもしれません。ですが実際は、借金も相続財産として遺族に引き継がれることになるのです。

 

・死んだ人に借金があった場合は、配偶者や子供、もしくはきょうだいなどの相続人にあたる人が、借金も引き継ぐことになります。通常、人が死亡した場合は預貯金や不動産などの財産が残るので、それを相続人が受け取ります。しかし、財産と同時に借金などの負債も同時に受け取らなくてはならないのです。プラスの財産のほうが多ければ、そこから借金を差し引いて残りを受け取ればよいのですが、負債のほうが多かった場合には資産の替わりに借金を相続することになってしまいます。

 

 

住宅ローンも相続される?

 

・消費者金融会社やカードローン会社からの借金は、マイナスの資産として相続人に受け継がれます。しかし、借金が住宅ローンの場合は、扱いが別になります。

 

・通常、住宅ローンを組むときには「団体信用生命保険」に加入します。団体信用生命保険は、住宅ローンの名義人が、ローンを支払っている途中で死亡した場合、残りの住宅ローンをすべて肩代わりしてくれる保険です。

 

・ですので、多くは住宅ローンを借りている人が死亡した場合、残された家族は住宅ローンを払ってゆく必要がなくなり、その家に住み続けることができます。ただし、住宅ローンの返済が滞っていた場合などは、保険が降りない場合もあります。

 

・実は、以前は消費者金融会社やカードローンからの借金でも、団体信用生命保険に加入していれば借金はすべて肩代わりされていました。保険料は消費者金融会社やカードローンの会社が負担する形になり、住宅ローンの場合と同様、残された相続人が借金を支払う必要はありませんでした。

 

・しかし、現在消費者金融などの業者からの借金には、団体信用生命保険は適用されないことになっています。その一番の理由は「債務者の自殺」です。

 

・金融業者からお金を借りた人が多重債務になり、借金苦から自殺するケースが相次ぎ、社会問題に発展したことがありました。その際に問題になったのが、団体信用生命保険です。お金を借りるときに加入して、自殺すると借金が帳消しになるため、「命を担保にして契約を取っている」と批判のまとになったのです。

 

・そのような背景があるため、現在では消費者金融やキャッシングなどの小口無担保ローンに対しては、団体信用生命保険は利用できなくなりました。

 

 

相続放棄を弁護士に依頼しましょう

 

・親やきょうだいが残した借金のために、自己破産をすることほど馬鹿らしいものはありません。残された財産よりも借金が多い場合には、相続放棄や限定承認などの手続きを検討するのがよいでしょう。

 

・相続放棄は、死亡した人の財産を相続しないかわりに借金も相続しないという制度です。もし借金のほうが多い場合は相続放棄をすると、借金を背負うことにはなりません。しかし、相続放棄は相続開始が判明した日から3ヶ月以内に家庭裁判所に届出をする必要があります。

 

・限定承認は、資産は相続するが決められた範囲内の負債なら返済してもよいという制度です。相続人が返済できるのなら、こちらを選んだほうがよいでしょう。こちらも相続放棄と同様に、3ヶ月以内に家庭裁判所に届ける必要があります。

 

・特別な資産などがない人は、相続放棄を選んで借金から逃れるのが一番よいでしょう。資産の中にどうしても残しておきたいものや不動産などがある人は、限定承認の手続きをするのがよいかもしれません。例えば1000万円の資産と2000万円の借金がある場合、資産を借金に充当して残った1000万円の借金は支払わないということにできますが、その代わり相続人には1円も残りません。ただし、居住用の家などは残すことができるので、手放したくない不動産がある場合には有効な方法といえるでしょう。

 

・相続放棄にするか限定承認にするか迷った場合には、弁護士に相談してみましょう。借金や相続に詳しい弁護士であれば、相続人個々のケースに合わせてどちらにすればよいのかアドバイスしてくれます。また、相続放棄や限定承認には3ヶ月の期限がありますが、家庭裁判所に申立てをすればその期間を延長してもらえます。弁護士に依頼すると、こうした面倒な手続きも替わりにやってくれるので、便利だといえるでしょう。

 

・また、見かけは借金のほうが相続財産より多くても、利息を計算し直してみると過払い金が発生している場合もあります。弁護士に依頼すると利息を引きなおして計算し、過払い金があれば請求の手続きもしてくれます。