14.借金は死亡したらどうなるの?

14.借金は死亡したらどうなるの?

 

 

自分は借金をしていなくても、親や兄弟、配偶者などが消費者金融会社やカードローンなどから借金をしている場合はよくあります。これらの負債がある家族が死亡した場合、借金はどうなるのでしょうか?詳しく説明いたします。

 

 

借金も相続の対象になる

 

 

・家族が亡くなって遺産整理をしているときに、生きているときには誰も知らなかった借金が発覚することがあります。消費者金融会社やカードローン会社からの借用書や請求書が出てくると、遺族が驚くのも無理はありません。こういった借金は、遺族に支払う義務があるのでしょうか?

 

・結論から申し上げますと、借金している人が死んだ場合、その借金の返済義務は相続人に引き継がれます。また、被相続人(亡くなった人)が、他の人の保証人や連帯保証人になっていた場合でも、その保証人としての義務が相続人に引き継がれることになります。

 

・ですので、例えば父親が亡くなって息子が相続人になっていた場合、父親の借金は相続人である息子が返済の義務を負うことになるのです。

 

・借金の相続の順位は、財産の相続と同じです。亡くなった人に配偶者がいた場合、第一の相続人は妻(夫)になります。もし配偶者がいなかった場合は、その人の子供になります(血縁関係のない養子も同じ)。子供も配偶者もいない場合は、亡くなった人の両親が第二相続人になります。配偶者も子供も親もいない場合はきょうだいが相続することになるので、借金はその人たちが支払い義務を負います。

 

・ただし、借金が住宅ローンであった場合、通常は住宅ローンを組んだ時に「団体信用生命保険」という保険に入っているので、相続人が住宅ローンの返済をする必要はありません。この保険は住宅ローンの名義人が返済途中で死亡したとき、残額を全額保険から支払う制度になっているためです。

 

借金を相続したくなければ放棄しましょう

 

・親やきょうだいがした借金のせいで、自己破産をしたい人はどこにもいません。家族が死亡したけれども、その人の借金まで背負いたくない場合は、相続を放棄しましょう。相続放棄をすると、遺族が借金を支払う義務から解放されます。

 

・相続放棄をしたい場合は、家庭裁判所で「相続放棄の申述」という手続きをします。ただし、相続放棄の手続きは、被相続人が死んでから3ヶ月以内に行う必要があります。相続放棄をすると、相続権は他の相続人に移るので、借金は次の相続人が支払うことになります。

 

・ただし、相続放棄をすると、預貯金や不動産などのプラスの財産も放棄することになります。つまり、例えば被相続人に1000万円の資産があり借金が2000万円ある場合、プラスの資産である1000万円だけ相続して、負債の2000万円は相続しないという選択はできないことになります。これを、法律用語で限定相続財産と呼びます。

 

・このような場合は、プラスの財産で補える部分のみ限定して相続し、それ以外は相続しないようにします。プラスの資産1000万円をマイナスの2000万円に充当して、残ったマイナス1000万円の借金は支払わなくてもよくなります。ただし、この選択だと借金も抱え込みませんが相続人は1円も受け取ることはできません。

 

・これとは逆に、資産も負債もすべて受け取るのが単純承認相続になります。この場合、資産が負債を上回ればお金が手に入りますが、負債の方が大きいと借金を抱え込むことになります。

 

・相続放棄には、他にも注意点があります。一度相続放棄をすると、撤回はできません(ただし、他者からの詐欺や脅迫で相続放棄を強制された場合は、例外で取り消しにできます)。また、相続財産に手をつけてしまった場合(土地や物品を売ってしまったなど)は、相続を承認したと見なされて相続放棄をすることはできなくなります。

 

 

相続放棄は弁護士に依頼しましょう

 

・相続放棄は、被相続人が亡くなってから3ヶ月以内に行わなければなりませんが、3ヶ月では放棄をするか相続をするか、なかなか決めることができない場合もあります。遺族みんなで話し合って決めるのが一番ですが、相続人が多かったり意見が食い違ったりすると、揉めるケースもあります。

 

・相続放棄の制度がよくわからずに時間だけが過ぎてしまうと、気がついたら3ヶ月の期限が過ぎて親やきょうだいの借金も一緒に相続するハメに陥ることもあります。

 

・被相続人に借金があって相続放棄をするかどうか悩んでいる人は、弁護士に相談するのがよいでしょう。3ヶ月の期間では相続放棄をするかどうか決められない場合、家庭裁判所に申し立てて期間を延長してもらうことも可能です。弁護士に依頼すれば、こういった申立ての手続きも代わりに行ってくれるので安心だといえるでしょう。

 

・それに、一見すると財産より借金のほうが多くても、利息を計算し直してみると過払い金が発生しているケースもあります。そのような場合は、弁護士が貸金業者に過払い金請求をしてくれるので、相続する借金を減らすことができます。